ノルウェーのツアーでオスロからラルダールへバスで行く途中、木造の教会スターブ教会を見ることができます。
ノルウェーでは8世紀から11世紀にバイキングが活躍していました。
バイキングは独自の宗教を持っていましたが、遠くまで遠征する間にキリスト教に出会い、改宗していきました。
改宗したバイキング達がノルウェーに戻り、バイキングの造船技術を利用してて建てた木造の教会がスターブ教会です。
バイキングの木造教会 スターブ教会の特徴
「スターブ」とはノルウェー語で垂直に立った「支柱」という意味です。
スターブ教会を建てるのに、釘やネジは一切使われていません。
キリスト教の特徴の十字架は少なく、屋根にはドラゴンの頭をかたどった飾りがあり、ドラゴンのうろこを模した”こけら板”で覆われています。
キリスト教で、ドラゴンは悪のシンボルです。
なぜ悪のシンボルを教会につけているのかというと、まだ、この時代は、キリスト教とバイキングの北欧神話からくる神々とが、混ざってしまっていたからです。
ドラゴンは、バイキングの守護神だったのです。
バイキングは、自分たちの船の船主や船尾に龍頭を魔除けとして付けていました。
それと同じ意味があるのです。
入口部分や壁、柱には北欧神話に出てくる架空の動物がモチーフとなっている彫刻が彫られています。
木造教会で使われている木は松の木です。
外壁や屋根の表面には腐食や虫がつくのを防ぐ為に松脂(タール)を塗っています。
今でも4-5年に一度塗り替えられています。
なので、スターブ教会の色は黒なのです。
なぜスターブ教会は少なくなってしまったのか?
木造教会スターブ教会は、バイキング時代が終わった後の12世紀から14世紀頃に1000棟以上建てられましたが、現在はわずか28棟しか残っていません。
スターブ教会が少なくなってしまった理由としては、初期の建築物は、基礎に石を使用せず、木の柱(スターブ)を直接地面に差し込んで建ててしまったため、長持ちしなかったのです。
また、宗教改革で建物をプロテスタントの人達に焼き払われたてしまった事も理由の1つです。
戦争中に、ドイツ軍に焼き払われてしまったスターブ教会もあります。
このため、28棟しか残っていないのです。
ボルグンド・スターブ教会 (Borgund Stave Church)
オスロからラールダールへバスで行く途中に見えるスターブ教会がボルグンド・スターブ教会です。
ボスの駅の近く、右側にも一瞬ボス・スターブ教会が見えますが、車窓から、一瞬なので、見落としがちです。
このボルグンド・スターブ教会はトイレを借りる事ができるので、トイレ休憩がてら、STOPするといいでしょう。
トイレは隣接している観光センターの中にあり、有料10NOKです。
注意しなければいけないのは、スターブ教会はいつでも見られますが、トイレを借りたり、入場料を払って内部を見る事ができるのは、観光シーズン中のみになります。
観光シーズン以外は、スターブ教会のもっと手前にある、ガソリンスタンドのトイレを借りるしかありません。
スターブ教会の周りには石垣があり、その中に入るのは有料です。
ですが、教会の内部は、宗教戦争時に装飾品は壊されたり、持ち出されてしまったため、なにもありません。
ボルグンド・スターブ教会はノルウェーに現存する28のスターヴ教会の中で、最も保存状態の良い教会です。
中に入場しなくても外側からきれいに写真が取れます。
もちろん、入場すれば、トイレ代は無料になります。
内部の写真撮影はできませんので注意してください。
ボルグンド・スターヴ教会は1150年から1200年ごろに建てられた教会です。
屋根には4つのドラゴンの頭が付いていますが、この龍頭は建設当時のものではありません、1738年に新たに造ったものということです。
石垣の内側にはお墓が見られます。
ボルグンドのような地方では、まだ、土葬が行われています。
ボルグンド・スターブ教会 Borgund Stave Church
住所:6888 Borgund
開館時間:10:00–17:00 (6月11日– 8月21日: 08:00–20:00)
入場可能日:5月1日– 9月30日 (5月17日は休館)
入場料:大人 NOK 90 学生・子供(5歳以上)NOK70(2017年4月現在)
教会内部撮影不可
行き方:ラールダールからボルグンドスターブ教会行きのバスが1日に1-2便運行 約50分