ノルウェー観光のツアーでは、フィヨルドクルーズの後、フロムからミュルダールまで、
もしくは、フィヨルドクルーズの前にミュルダールからフロムまでを、世界でも有数の急勾配を行くことで知られているフロム鉄道に乗って観光します。
ここでは、フロムからミュルダールまでのフロム鉄道の旅を解説します。
フロム鉄道
フロム鉄道は、フロムからミュルダールまでの山岳地帯、約20kmを1時間かけて結ぶ鉄道です。
この二つの駅の標高差は866Mもあります。フロム鉄道の着工は1923年。
1940年に運行が開始されました。(電化は1944年)
急勾配の山間部を走るために路線は曲がりくねっていて、途中で20のトンネルを通過します。
そのうちの18のトンネルは手作業で掘られたものです。
最大勾配はおよそ55% で、途中のバトナハルセントンネルには、高度を稼ぐために馬蹄型カーブ(180度旋回するカーブ)があります。
席は全席自由席ですが、ツアーで行く場合は、席はグループで決められています。
窓にグループの名前がはってありますので、そこに座ってください。
右と左どちらがいいかとよく質問を受けますが、どちらも甲乙つけがたい見どころがあります。
私のお客さんは、いつも、右に行ったり、左に行ったりと落ち着く暇がないくらい素晴らしい景色に盛り上がります。
電車の方も、よくわかっているので、景色の良いところは、速度を落としたり、数秒止まってくれたりもします。
列車内にはテレビがあり、日本語で説明があります。
ミュルダールからベルゲン鉄道でボスに行く場合、添乗員は、フロムの駅でバウチャーを必ずチケットに交換しなければいけませんので、忘れないようにしましょう。
フロム鉄道の始発のフロムから終点のミュルダールまでの見どころ
フロム FLAM(始発・終点)
1992年にグドバンゲン間にトンネルが開通し、便利になりました。
アウランフィヨルドの奥まったところにある小さな町ですが、レストラン、スーパー、土産物店、ホテル、フロム鉄道博物館(無料)等あり夏の間はたくさんの人で混雑します。
駅の建物内にトイレ(無料)あります。
ルンデン ( Lunden )
右手には、真っ逆さまに落ちるハーガーベルゲ( Hagaberget )の崖が見えます。
ホーレイナ ( Hareina )
川沿いに農耕地が続き、1667年に建てられたフロム教会があり、ビプメスノーシ( Vibmesnosi:1260m )の頂と140mの高さから落下しているリョーアンデの滝( Rjoandefoss )が見えます。
この地域には紀元前4900年にすでに人が住んでいました。
ダールスボトン ( Dalsbotn )
左側の巨大な岩の上に、スティーブセットヘウゲン農場があります。
また、8mもある大きな石が、川を超え、自然の橋となって、独特な風景を醸し出しています。
ベーレーグバム ( Berekvam )
丁度、フロムとミュールダールとの中間地点です。
山から流れてきた急流が、深い渓谷を形成しています。
左側に、農家と滝が見えます。
単線の為、ここで上下線がすれ違います。
ブロムヘレル ( Blomheller )
右手にトロルなだれと呼ばれる斜面があります。
ここは、毎年大きななだれが発生する事で有名です。
コールダール ( Kardal )
進行方向上を見ると、雪囲いを通して、これから通過するトンネルが見えます。
右側にはコールダール( kardalfossen )の滝が見えます。
ショスの滝 ( Kjosfossen ) 5分停車
迫力満点のショスの滝では写真撮影の為5分間停車します。
乗客は列車から降りて、滝の前で写真を撮ることができます。
夏の観光シーズンは、音楽が流れ、滝の右側から、滝に住む赤いドレスを着た妖精がでてきます。
以前は、かなり年配の妖精でしたが、最近、若い妖精に代替わりしたようです。
秋になると、妖精は静かに休むようで、出てきません。
発車の合図は、車掌さんが笛を吹いて教えてくれます。
冬、この滝は凍ってしまうそうです。
駅の直ぐわきに水力発電所があります。
氷河や雪解け水がレインウンガ湖に集まり、発電機を動かします。
そして、ここで生まれた電気がフロム鉄道に供給されています。
レインウンガ ( Reinunga )
左側にレインウンガ湖が見えます。
バトナハルセン ( Vatnahalsen )
バトナハルセントンネルでは、馬蹄型カーブ(180度旋回するカーブ)があります。
ここまできたら、終点は目前です。
ミュルダール ( Myrdal ) ( 終点・始発)
駅しかないところで、車道がないので、車では来ることができません。
ベルゲン鉄道は向かいのホームです。
トイレはカフェの奥にあります。(無料)