ディジョン(Dijon)は、フランス東部のブルゴーニュ地方にあり、ブルゴーニュ公国の首都として栄えた歴史豊かな街です。また、フランスを代表するエスカルゴやブッフ・ブルギニヨン、マスタードやブルゴーニュワインが有名な食通の町でもあります。そんなディジョンの観光や歴史をご案内します。
人口:152,110 人 (2009年) 面積:40.41 km²
ディジョンの歴史
ディジョンには新石器時代から人が住んでいましたが、ローマ人によって建てられた都市”カストラム・ディビオネーゼ” Castrum Divionenseが始まりです。3世紀に聖ベニグヌス(フランス語名ベニーニュ)がこの地にキリスト教を伝え、殉教しました。ラングル司教座がディジョンに置かれ、聖ベニーニュを埋葬した修道院が建てらました。
1031年、ブルゴーニュ公ロベール1世がブルゴーニュ公国の首都をディジョンに定めました。 1363年のフィリップ豪担公から1477年のシャルル突進公まで、ヴァロワ家の歴代4大公が納めた黄金時代には、フランドルから一流の画家や彫刻家を招き芸術の中心地となりました。ブルゴーニュ公国は最盛期には、フランスをしのぐ大国で、現在のオランダやベルギーにまで領地をひろげていました。ルイ11世はブルゴーニュ公国をフランスに併合し、自分用の宮殿をディジョンに建設しました。
ブルゴーニュ議会がボーヌからディジョンへ移されると、官位を持つ貴族達がこぞってディジョンに邸宅を建てました。また、ディジョンには新たな教会、礼拝堂、修道院が建てられ1731年には司教座が置かれました。
近郊のル・クルーゾで採掘される石炭と鉄の運搬のため、ブルゴーニュ運河が1832年に開通し、ディジョンは重要な経済都市となります。1851年、パリ-ディジョン間の鉄道が整備され、ディジョンの経済成長が急速に進みました。
1940年から1944年にかけナチス・ドイツに占領され、1944年9月11日に、フランス・イギリス・アメリカの合同軍によって解放されました。
ディジョンの観光
ディジョンの観光は徒歩での観光になります。ツアーではダルシ広場でガイドさんと会って、観光が始まります。公衆トイレは市場に無料のトイレがあります。(女性2個)
個人で行く場合は、ダルシ広場を起点として、道に埋め込まれたフクロウの絵が描かれた三角のプレートをたどりながら歩くとディジョンの22か所の見どころを効率よく回る事ができます。
旧ブルゴーニュ大公宮殿 Palais des ducs et des Etats de Bourgogne
旧ブルゴーニュ大公宮殿は、ルネッサンス様式の城で1365年にヴァロワ家のブルゴーニュ公によって完成しました。その後ルイ14世の時代、ベルサイユ宮殿を設計した宮廷の主席建築家ジュール・アルドゥアン・マンサールによってゴシック様式を基礎に再建され、1680年に完成しました。現在宮殿の左翼は市役所、右翼はディジョン美術館となっています。
デジョン美術館のコレクションは、エジプトから現代までと幅広いものですが、やはり、全盛期であるブルゴーニュ公国時代の作品が見ごたえがあります。
デジョン美術館 Musée des Beaux-Arts
営業時間:5月から10月9:30~18:00
11月から4月10:00~17:00
休館日:火曜日・祝日
料金:無料
フィリップ善良公(フィリップ・ル・ボン)の塔
宮殿中央にそびえたつ、15世紀半ばに築かれた46メートルの塔です。頂上までの階段はきついですが、町の素晴らしい眺めが一望できます。
営業時間:復活祭から11中旬 毎日 9:00~12:00、13:45~17:30
その他の時期 土・日9:00~11:00、13:30~15:30
水 13:30~15:30
サン・ベニーニュ大聖堂 Cathédrale St-Bénigne et Musée Aecheologique
サン・ベニーニュ大聖堂は、通称ディジョン大聖堂と呼ばれ13世紀に完成しました。元は、10世紀のベネディクト派修道院だったものを改造したものです。2002年からディジョン大司教座が置かれています。
サン・ベニーニ大聖堂の中でも必見なのは、クリプト(地下礼拝堂)です。人間の頭が彫刻された柱は1007年の初期ロマネスクの作品です。
大聖堂の敷地内には考古学博物館があり、ローマ時代から、中世までの宗教オブジェが集められています。
サン・ベニーニ大聖堂 Cathédrale St-Bénigne et Musée Aecheologique
開館時間:8:30~19:00
入場料:大聖堂は無料 クリプトは有料
考古学博物館
開館時間:9:00~12:30、13:30~18:00
休日:火曜日 10月1日から5月14日の間は月曜も休館、祝日
ノートルダム教会 Eglise Notre-Dame
13世紀後半のゴシック様式の教会です。6世紀から7世紀の作とされる、黒い聖母像があります。教会内礼拝堂の北の壁には、ラ・シュエット(La Chouette、フクロウ)と呼ばれる彫刻があります。このフクロウを左手で触ると幸福が訪れると言われています。たくさんの人に撫でられて、フクロウは表面がつるつるになってしまっています。現在のフクロ像は複製品で、元のフクロウは2001年1月に何者かによって壊されてしまいました。なので、このフクロウの周りは監視カメラに見張られています。
シャンモル修道院とモーゼの井戸
フィリップ豪胆公が大公家の埋葬所として建てた修道院です。現在は病院になっています。
14世紀の彫刻家スリューテルの「モーゼの井戸」があります。六角形のガラス張りの建物の中に古い井戸があり、その上にモーゼをはじめ6人の預言者の彫像が立っています。ここのモーゼは、ちょっと変わったモーゼで、頭に角が生えています。
開館時間:9:30~12:30, 13:30~17:00
入場料:有料
ディジョンマスタード Moutarde de Dijon
ディジョンはマスタードで有名です。他の地域のマスタードとの違いはワインビネガーでなくヴェルジュ(酸味のあるブドウ汁)で溶いているところです。マスタードには粒入りと、粒なしのなめらかな物がありますが、ディジョンマスタードは、粒の無いなめらかなものになります。ディジョンでは変わった風味のマスタードも作られ、たいがい陶器のポットに入れて売られています。変わった風味のディジョンマスタードを店頭ではフランス以外で手に入れることは難しいので、ディジョンに行ったら是非購入したいお土産です。
日本で有名なディジョン・マスタードといったら、マイユ(Maille)でしょう。マイユの本店はディジョンのメインストリートであるリベルテ通り沿いにあります。陶器の容器に、生ビールのような装置でマスタードを絞り出してくれます。
マイユ以外に有名なディジョン・マスタードはファロー(Edmond Fallot)です。こちらのお店は、ディジョンではなく、ボーヌにあります。
ディジョンマスタードは楽天市場とAMAZONで購入可能です。